ピロリ菌 

 

 

■ ピロリ菌とは
ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は、胃の中にいる細菌です。主に5歳くらいまでの免疫が未発達な時期に、口から菌が入って感染します。昔の井戸水などの生活用水にピロリ菌がいたこともあったようです。その他、家族内感染などがあります。
胃・十二指腸潰瘍や、萎縮性胃炎、胃癌などの原因となるのが問題です。また、胃MALTリンパ腫や機能性ディスペプシア、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)にも係わっています。
保険診療でピロリ菌検査を行う場合は、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎が確認されていることが条件となります。半年以内に内視鏡検査を受けていることが必須です。
健診のピロリ菌検査で発見された場合も、保険診療で除菌治療を行うには内視鏡検査が必要です。

■ ピロリ菌の診断
ピロリ菌の診断は、内視鏡時に行う検査としては、培養法、迅速ウレアーゼ法、組織鏡検法があります。内視鏡を伴わない検査としては、尿素呼気試験法、抗体測定法、抗原測定法があります。尿素呼気試験法は、検査薬を飲む前と飲んだ後の呼気を調べる検査です。抗体測定法は、主に血液検査で抗体を調べます。抗原検査は、検便で調べます。

■ ピロリ菌の治療
ピロリ菌の治療は、2種類の抗生物質と胃酸を抑える薬の3剤を、1日2回朝夕食後1週間服用します。効果の高い治療薬があり、きちんと服薬できれば90%程度の確率で除菌が成功します。不成功の場合は、薬を変えて二次除菌を行うことが可能で成功率は90%以上です。
 ピロリ菌除菌成功の判定は、尿素呼気試験法、抗体測定法などで行います。尿素呼気試験の場合は、除菌終了後4週間以上経過し、かつ静菌作用を有する薬剤(胃酸を抑える薬など)を中止または終了後2週間以上経過している必要があります。抗体測定法は、除菌終了後6ヶ月以上経過かつ除菌前の抗体価との比較が必要です。
 胃癌の方のピロリ菌感染率は90%で、国立がんセンターのデータによれば、ピロリ菌抗体陽性者の発癌率は陰性者の5.1倍です。ピロリ菌を消して胃癌を予防しましょう。

■ ピロリ菌除菌後
 除菌に成功したからといって、胃の病気にならないわけではありません。除菌成功後にも胃癌が発見されることがあります。除菌した後も定期的な内視鏡検査が必要です。

*出典:「H.Pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版」日本ヘリコバクター学会ガイドライン作成委員会。「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」に対する除菌治療に関するQ&A一覧 日本消化器病学会H.pylori診断治療委員会。

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